部室

今日はずっと部室にいた。稽古を見て、お菓子を食べて、ワードウルフをして、おしゃべりをして。楽しかった。

 

先日、『大阪、ミナミの高校生』でマーガレットを2年ぶりに演じた。

当時は私も大阪、ミナミの高校生だったが、今は違う。京都、上賀茂の大学生だ。仕事や学校の都合でオリジナルメンバーが揃わなかったのが残念だった、というのは野暮だろうか。

4つ下の子と同じ舞台に立つというのは中々に緊張する。代が被って居ない子がキャストのうちに3人もいる。彼らの手本となれるのか、彼らに何を示せるのか、2年というブランクが現役の彼らの足を引っ張らないか、とか、色々考えた。

彼らとは去年の夏に出会った。『大阪、ミナミの高校生3』。その稽古を通して、何度かの公演を通して、彼らとの親睦を深めた。

 

『大阪、ミナミの高校生1、2、3』、先日の遠征を終えて、やっと一息付いた。それが今日だった。千秋楽終演後、打ち上げをした。短い時間で、みんなで、スタッフも合わせてワイワイと。楽しかったのだけれど、一息は付けなかった。

だから今日、部室でゆっくりとした時間を過ごせて良かった。時間がゆっくり進むのが、どうしてだか尊かった。

 

『恋するヨウカイ』という作品がある。『大阪、ミナミの高校生』をやる1年前、僕が2年生になった年、後輩が出来た年、の作品だ。

演劇部、恋をしたもの同士がくっつくようになってしまう。「ヨウカイのせいや」と部員の一人が言う。「お前らも、いつか、ヨウカイになる」とも。というのがあらすじ。

 

ヨウカイ。部室が大好きなヨウカイ。

私だ。私はヨウカイになってしまったのだと、思った。あのとき言われた言葉が木霊する。「お前らも、ヨウカイになる」。木霊する。

このままヨウカイで居続けても、彼らの役には立たない。彼らの為にはならない。そう思った。

 

 

だから私はヨウカイを置いていく。大好きな部室に、ヨウカイを置いていく。いつかまた、会いたくない。